法人向けの賠償責任保険
商品を販売している企業、商品や製品を製造している企業に欠かすことができない保険の一つに「PL保険（生産物賠償責任保険）」があります。
万が一自社が製造、販売している商品や製品で、第三者がケガを負ってしまったり、第三者の財物に損害を与えてしまったら、多額の損害賠償請求をされる可能性があります。
そんなリスクに備えるための、PL保険（生産物賠償責任保険）について解説していきます。
PL保険（生産物賠償責任保険）とは、製造業者や販売業者が製造または販売した製品、または工事業者が行った仕事の結果が原因で、第三者にケガを負わせてしまったり、第三者の財物を破損させてしまった場合の、法律上の損害賠償責任に備えるための保険です。
1995年7月1日に製造物責任法（PL法）が施行れたことによって、製品事故が発生した場合には、被害者が製品の欠陥を証明できれば、事業者の過失有無を問わないで損害賠償責任を追求できるようになったことで、ニーズが高くなった保険です。
PL保険（生産物賠償責任保険）の主な補償内容は以下のとおりです。
このような費用が補償の対象となります。では、一つずつ解説していきます。
PL保険（生産物賠償責任保険）のメインとなる補償です。
第三者に与えてしまった損害に対して損害賠償金を支払った場合に補償されます。
注意点としては、「法的に損害賠償責任があると認められた場合」に支払われる保険金となります。
商品や製品の欠陥によってお客様に損害を与えてしまい、その結果、裁判を起こされてしまった場合に、その裁判にかかった費用を補償します。
損害が発生してしまった場合には、その損害の拡大を防ぐ措置を取らないといけません。損害自体を防ぐ費用や、損害の拡大を防ぐことに使った費用も補償の対象となります。
他人から損害賠償を受けるために要した費用が補償されます。
損害防止のために措置を行なった結果、損害賠償請求を免れるというケースもあります。その場合には、緊急措置費用として、予防にかかった費用が補償されます。
引受保険会社が自社の代わりに賠償請求事案の解決にあたる場合に、自社が解決のために協力した支出費用が補償されます。
PL保険（生産物賠償責任保険）が必要となる業種には下記のような業種があります。
主にこのような業種で必要となりますが、これはあくまでもほんの一例です。
製品や商品を製造している業種はもちろんですが、商品を販売している企業や仕事の結果によって他人に損害を与えてしまうような業種も加入が必要となります。
海外に商品や製品を販売している企業は通常のPL保険では補償が不足している可能性があります。
一般的にはPL保険は、国内の事故を対象としていますので、海外で発生した事故に関しては、補償の対象となりません。
そのため、海外に取引先がある企業の場合には、海外PL保険への加入も必要となります。
なお、海外PL保険が輸出先の（補償対象となる）国・地域によってリスクが異なるため、保険料が大きく変わります。
それだけ、リスクが大きな商取引となりますので、どのようなリスクがあるのか解説していきます。
海外でPL事故が発生した場合、通常は全てのやり取りを現地の言葉で行います。また国民性や社会性の違いもあるでしょうが、国内では考えられないような高額な賠償請求をうけることが多くあります。
アメリカを一例にあげますと、「陪審員制度」が多様化しており、一般市民の中から選ばれた人が法廷心理によって原告、被告の主張を聞いて、どちらの主張が正しいのかを判断します。しかし、時には被告への同情が先行してしまい、偏った判断をされてしまいます。つまりは、高額な賠償請求の評決額の決定が下されるケースがあります。
また、商品に欠陥がなかったとしても、クレームがついてしまい、裁判となったら、自社を守るための防御費用がかかります。
その金額も膨大な金額になるケースが多くあります。
輸出ビジネスには予想もしないリスクがあるので、海外PL保険は必要不可欠の保険です。
PL保険に加入する前に、補償対象になるケースを確認してください。
このような場合には補償対象外となるので注意してください。
賠償請求に対しては、なんでも補償対象になるということではありません。
