法人向け新種保険・その他損害保険・保険制度

D&O保険(会社役員賠償責任保険)

会社役員賠償責任保険(D&O保険)補償内容加入の必要性を解説

会社役員賠償責任保険とは

会社役員賠償責任保険とは「Directors(取締役)&Officers(執行役、監査役等)」の訳語で「D&O保険」と言われています。
近年のグローバル化した経済状況の中では刻々と変化するビジネスチャンスを捉えて会社を発展させるために役員の職務は日々複雑かつ高度になってきています。
一方で、平成5年の商法改正以来、役員の責任を追求する株主訴訟の数は急増していて、役員に対する訴訟のリスクは非常に大きくなっているのが現状です。
過去には、大手メーカーによる損失隠しや不正貸付の問題など、企業不祥事がおこると会社に対する役員の損害賠償責任が問題となってきます。
会社が直接役員に損害賠償請求をしなくても、株主代表訴訟によって株主が役員に対して個人責任を追求するケースもあります。
そうなると、時には役員が多大な負担を負ってしまうことになり、さらには役員として適切な人材を会社が確保することが困難になる事態も予想されます。
また、役員が訴訟を意識するあまりに経営判断に対して消極的になってしまうと、会社の発展に大きな影響が出ることに繋がります。
そのような役員に対しての損害賠償を補償するための保険が会社役員賠償責任保険なのです。

中小企業にも必要な会社役員賠償責任保険

会社役員賠償責任保険と聞くと、上場企業ではない中小企業の場合には株主代表訴訟のリスクがほとんどなく、会社役員賠償責任保険の必要性がないように思えます。
でも実はそんなことはありません。
取引先の第三者が役員に対して損害賠償請求をする場合などは、会社役員賠償責任保険が必要になることがあります。
役員の故意ではなく過失による責任追及の場合には会社役員賠償責任保険が有効です。
上場企業ではなくても、会社役員賠償責任保険の加入を検討されるのがおすすめです。

会社役員賠償責任保険の代表的なリスク

会社役員の代表的なリスクとして下記のような事例があります。

種類 株主代表訴訟、会社訴訟 取引先または第三者からの訴訟
事例
  • 会社から役員個人への商品の廉価販売
  • 不要な土地の買戻し保証による取得
  • 自己株式の違法取得
  • 倒産寸前のグループ会社への融資
  • 融通手形の交換先倒産による連鎖倒産
  • 社員の詐欺、横領
  • 欠陥商品の販売
  • 粉飾決算

このように会社役員のリスクは非常に大きく、事例も様々あります。
実際に、近年では株主代表訴訟の件数も多くなってきています。

出典:リスクマネジメント最前線2014№17より弊社作成

会社役員賠償責任保険のポイント

会社役員賠償責任保険のポイントは下記のとおりです。

  • 役員の個人財産を守るための補償
  • 役員退任後も補償を受けられる
  • 役員の相続人も補償のカバーが受けられる
  • 訴訟費用は前払いが受けられる

では、一つづつ順番に解説します。

役員の個人の財産を守るための補償

役員退任後も補償を受けることができる

役員の相続人も補償のカバーを受けられる

訴訟費用は前払いが受けられる

会社役員の責任

対会社 対第三者
善管注意義務違反(会社法第330条、民法644条)
忠実義務違反(会社法第355条)
協業取引規制違反(会社法第356条第1項第1号)
利益相反取引規制違反
分配可能額を超えた余剰金の配当
分配可能額を超えた自己株式の取得
取引先・ユーザーからの訴訟
投資家(株主、社債保有者など)からの訴訟

役員がこれらの義務に違反して会社に損害を与えた場合には、その損害を賠償する責任が発生します。
同様に、職務遂行に起因して第三者に損害を与えた場合にも第三者に対して損害賠償責任を負います。
会社役員は、常にリスクと隣り合わせの状況で、しかも常に瞬時の判断を求められています。
会社を健全に発展させるためには、そのようなリスクを保険に「移転」してヘッジすることも経営者の責務として認識していただき、加入の検討をおすすめします。

会社役員賠償責任保険のよくある質問

法人が訴えられたのですが、D&O保険で争訟費用は対象となるのでしょうか?

役員個人負担分の保険料表示があるのですが、これは何ですか?

保険期間中に役員の変更があった場合の対応は?